テトロドトキシン。
ご存知でしょうか。そう、フグの毒で有名ですね。テトロドトキシンはフグの肝臓や卵巣に含まれている毒で、あの有名な青酸カリの1000倍もの猛毒といわれています。
青酸カリはドラマでみると、もがき苦しんで血を吐いて死にますが、テトロドトキシンは神経毒で、呼吸筋が麻痺して呼吸ができなくなって、窒息死するというタイプの毒性です。
意識ははっきりしているでしょうから、それなりにしんどいでしょうね。
昔は、フグにあたると、浜に穴を掘って体を埋めて毒が消えるのを待つという方法がとられていました。医学的根拠はないとは言われていますが、そうでもありません。
呼吸困難となった人は、たいてい体を起こすと少し楽になります。体を起こしていると少しの力で呼吸ができます。呼吸をするのに重力に抗う必要がないからです。おそらく浜に縦に埋められたフグ中毒の人が、なんとか浅い呼吸で生きながらえたことが、昔の人の経験として語り継がれたものと思います。
ちなみに、横に埋めて砂をかけると砂の重みが呼吸を妨げるので、逆効果でアウトです。気をつけましょう。
とはいえ、現代の世の中では、自分で呼吸ができるようになるまで人工呼吸器をつけておけば、たいていの事態は乗り切れます。よかったですね。
しかし、毒量が多すぎたら心臓が止まってしまいますから、そうなるとちょっと厳しい事態となりますから気をつけましょう。
フグはてっさ(薄つくり)やふぐちりが有名ですが、一番うまいのは白子(精巣)です。香ばしく焼いた白子は、そっと歯を立てると、ふわっと溶ろけて、濃厚で、しかも上品な中身がとろとろと口のなかに広がります。まあ、美味しいこと!
フグのきも(肝臓)はそれにも増して美味とのことですが、それに挑戦した猛者が何人も命を落としているので、挑戦するなら十分な準備をしたうえでお願いします。
さて、このテトロドトキシンを持っている生物が他にもいます。それがヒョウモンダコです。
ターゲットの生物に唾液を吐きかけて動きを止めて、食べてしまうという狩りをする生物ですが、人が誤ってタコを怒らせて噛まれると、呼吸がとまります。しかし、そのヒョウモンがらは美しく、ダイバーたちを魅了します。
これは、2017年12月18日にバー浜で出くわしたヒョウモンダコです。もともと南洋の海でみられるだけでしたが、温暖化の影響か、日本近海でも見られるようになったようです。
バー浜では、水深1.5メートルくらいのところの浅瀬でみられました。かわいいでしょう。皆さんは近づかないように気をつけてくださいね。
バー浜では、小野田が気管内挿管セットとアンビューバッグ(手動の人工呼吸バッグ)を持ち歩いているのでご安心ください。ご希望の方は、気管切開のオプションがございますので、ご用命ください。
この日はヒョウモンダコの他にもいろいろ生物がみられました。
イソギンチャクカクレエビ。
よくみると、ちっちゃいのもいますね。
ハナヒゲウツボのこども。
大きくなると鮮やかな青と黄色になります。
モンハナシャコ
すごいパンチ力をもつシャコです。その威力はゴーグルのレンズを割るほどです。
イシヨウジ。
地味な魚ですが、よく見ると顔がかわいい。
カシワハナダイ。
しっぽが丸いのがカシワハナダイで、とがったのがケラマハナダイって習ったような。
オルトマンワラエビ。
なぜ、これがエビかっていうと話は長いので、こちらをご覧くださいhttp://www.kaiteibugyo.com/article/post-163f.html
擬態しています。大丈夫、食べませんよ。
あなたは誰でしたっけ?
オキゴンベ。
もうちょっと可愛い名前を付けてあげたらよかったのにね。
ウズマキ。
ほんとの名前は忘れました。